IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 (2017)

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 (2017)
  • IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
  • 英題:It
  • 2017年 公開
  • ( 4.0 / 5.0 )

1990年に公開された『IT』のリメイク版で、二部構成のうちの1作目の映画です。
こちらの1作目のほうは、1990年版の前半部分にあたる子供時代の出来事に絞って描かれています。

後半部分にあたる2作目は現在制作中なのでまだ公開されていませんが、自分用のメモも兼ねて、続編の項目に情報をまとめておきますね。

なお、始めにお伝えしておきますが、開始10分で既に心が痛いです。

小さい子供がむごいことになる始まり方で、最初のルンルンとした無邪気な様子と例のシーンで泣き叫ぶ様子との落差が激しく、冒頭のエピソードはちょっと観るに耐えない展開でした。

何度か見返してるけど、初っ端からこのシーンなのは本当に気が滅入ります。

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気に入ったところ

『怖いもの』モチーフがいろいろ見られる

このリメイク版ITは、作品の割と早い段階から、負け犬クラブのメンバーたちが奇怪な現象に遭遇するシーンをバンバンぶっ込んできます。

物語が進んでいくにつれて、その奇怪な現象はペニーワイズによって見せられた『本人の怖いもの』だと判明するわけなんですが…

子供たちの人数と同じだけ不快なものが登場するので、そのぶんホラーなモチーフが一作品に複数盛り込まれている形になって、いろいろ楽しめてお得感がありました。

負け犬クラブのメンバーそれぞれの怖いものは以下の通り。

  • ビル(主人公):ジョージー(弟)
  • べバリー(ヒロイン):洗面台の排水口から吹き出す血の噴水
  • ベン(ぽっちゃり博士):大量の卵を抱えた首ナシ人間
  • リッチー(おちゃらけボーイ):ピエロ
  • エディ(潔癖症の子):ゾンビ(ドロドロタイプ)
  • スタンリー(ラビの子):頭部の歪んだ女(家に飾られている絵)
  • マイク(ホームスクーリングの子):火事で亡くなった両親

べバリーだけは、他の子供たちと違いペニーワイズに連れて行かれる候補になってしまったので、本人の怖いものを見せられるというよりは呼ばれて怖い目に遭うといったほうがいいような気はします。

私もピエロ無理…

リッチーの怖いものはピエロでしたが、余談ながら私もピエロがとても苦手です。

ピエロに関して特に嫌な出来事があったわけでもないのに、漠然と恐怖を感じるんですよね。
ついでに言えば着ぐるみも無理です…

なんででしょうね?
ピエロや着ぐるみを怖いと感じるようになったキッカケには心当たりがありません。

とにかく、じっと見ちゃうと背筋がゾワゾワ〜っとしてタマランので、ショッピングモールやテーマパークなどでピエロや着ぐるみがいるのに気付いたら、そちらを見ないようにしながらなるべく早くその場を立ち去る派です。

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イマイチだったところ

ピエロ役のキャスト変更

私がこのリメイク版ITの企画情報を最初に見掛けた時、ピエロの役はウィル・ポールター氏がやるというお話でした。
それで楽しみにしてたんだけど…キャスティングが変更されたようで、完成したITではビル・スカルスガルド氏がペニーワイズを演じてましたね。

私は当初はウィル・ポールター氏のペニーワイズを観たいがために待ってたようなものだったので、そこだけは少し残念に思っているポイントです。

しかし、それはさておき…

ビル・スカルスガルド氏のペニーワイズはキモさ爆発。
子供たちの恐れてるものも異様さ爆発。
絶妙なホラー加減です。

キャストの変更はどうしても残念に思ってしまうけど、作品の仕上がりや内容については満足しているので、そこは全くイマイチではないとフォローさせてください。

ヘンリーはクソ野郎

汚い言葉遣いで失礼いたします。

主人公たち負け犬クラブに突っかかってくる、上級生のヘンリー(とその子分)。

コイツはクソ野郎です。

彼には彼なりの、汲んでやるべき事情や背景があるのかもしれませんが…

でも結局のところ、暴行に殺人と、あの歳で既に立派なクソ野郎じゃないですか。

映画の終盤で、ヘンリーは負け犬クラブのメンバーを追って井戸へやってきましたが、マイクを手にかけようとするも失敗し、自分だけ井戸の底へ真っ逆さま。

正直に言いますね。

ざまーみろ!!!

と思いました。

徹底して粘着質で攻撃的な性質の人物として描かれていたので、どうにも不快感が拭えず、嫌なクソガキという感情が最後までついて回ったキャラクターでした。

ヘンリー役の俳優の演技力

ただ、ヘンリーについてボロカスに貶しましたが、その一方で頭に浮かぶのはヘンリーを演じた役者さんのこと。

ある一人のキャラクターをここまで憎たらしい不快な人物として表現できるというのは、ヘンリー役のニコラス・ハミルトンくんの演技力はカナリ高いのでは…?

これは私なりの認識ですが、悪役って、演技力の乏しい役者にはお鉢が回ってこないものじゃないかと考えています。

なので、こんなに振り切ったクズ役の良い演技が観れたのだから、ムカつくキャラクターではあったけど、ヘンリーの存在には感謝するべきなのかなと思ったりもします。

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続編について

最初にチラッと触れましたが、このリメイク版ITは、1990年公開の『IT』を前半と後半に分割して2本立てで制作される予定の映画です。
1990年版の後半部分にあたる2作目はまだ公開されていませんが、今の時点で判明している情報をメモしておきます。(※2019年05月03日時点の情報)

  • タイトル…It: Chapter Two(英題)
  • 公開予定日…2019年09月06日(アメリカ公開日)

2作目は、本作から27年後のお話。
時代設定としては本作が1988年の出来事なので、そこから27年後ということは…続編の舞台は2015年ということになるのかしら。

登場人物は本作の主要メンバーの多くが引き続き出てくるものの、大人になってからの出来事ということなので、ほとんどのキャラクターは本作で役を担当した俳優さんとは別の方に変更になっています。

ペニーワイズ役は、ビル・スカルスガルド氏が続投。
このキャラクターだけは歳とか関係ないしね。

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総評

明るく楽しい雰囲気の映画ではないけど、私は気に入りました。

不可解な出来事についての謎解きの要素があるので先の展開が気になる描き方だったし、色んな種類の不気味なものが登場するので、そのうちのどれかに共感できればストーリーにも入り込みやすいんではないかと思います。

ただし、べバリーの怖い物のシーンで大量の血飛沫を目にすることになるので、ホラーが平気な方であっても流血描写が苦手な方に対してはあんまり積極的にはオススメしないかなーという印象です。

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