アントマン&ワスプ (2018)

アントマン&ワスプ (2018)
  • アントマン&ワスプ
  • 英題:Ant-Man and the Wasp
  • 2018年 公開
  • ( 4.0 / 5.0 )

2015年公開『アントマン』の続編です。

シリアスな雰囲気のものが多いマーベルのヒーロー映画の中で、前作は珍しくコミカル路線の作品でしたが、今作もそのコメディ風味は色褪せていませんでした。

アベンジャーズの映画にも出演しているアントマンですが、今作ではアベンジャーズ次回作に繋がりそうな要素もしっかり出てきて、いよいよ目が離せない展開です。

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気に入ったところ

アリさん大活躍!

小さいアリさんから人間の子供くらいのアリさんまで、今回も随所に出てきて大活躍でした。
群れで空を飛んで矢印の形を取りながら目的地までナビしてくれたし、博士のラボの中でもテキパキ作業して働き者でしたね。

主人公のアントマンスーツには羽がないので前作でもアリの背中に乗って飛行してたと思いますが、その時のアリさん(アントニー)も健在。

私は主人公の身代わりアリさんが特にお気に入りです。
シリアルの箱を抱きしめてギュッてするとこ可愛いし、最後のドラムも上手かった!

虫が苦手な方にしてみれば恐怖しかないと思いますが、働き者で意外と器用ですし、もしあと一回りか二回りくらい小さかったら私の家にも一匹来て欲しいです。

社長と同僚がコミカルでカワイイ

ルイス社長、メッチャお喋りさんでしたね。自白剤の効果バツグン!

バーチ氏(ブラックマーケットのオジサン)の部下と社長の「自白剤!?」「いや自白剤じゃないです」の応酬も見てて楽しかったし、薬剤が効いてきた後のぶっちゃけシーンでは社長のセリフが主人公やホープたちの口パク映像とぴったりリンクしてたのも面白かったです。

あと、カートはバーバ・ヤガーにガチビビリでオモシロ可愛い。

スコットのせいで会社の事務所に悪人が乗り込んできて彼らには災難でしたが、最後の方でバーチ一味にはキッチリ仕返しができました。
ルイス社長と同僚たち、そこそこオイシイところを持って行ってる良いポジションだったように思います。

車が選り取りみどり!

今作では車での移動とカーチェイスのシーンが多かったように思うのですが、博士たち、たくさん車持ってるんですよね。

円盤型のケースの中にミニカーがたくさんしまわれてて、車を使いたいときはそこから選んで元の大きなサイズに戻して乗ります。
ミニカーサイズに小さく縮めて保管している模様。

私は車に詳しくないのでどんな車が用意されていたかまでは分からなかったんだけど、これは便利ですよね。
何台分も車庫を用意できなくたって、これなら幾らでも車キープしておけるじゃん。イイね!

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イマイチだったところ

悪役たちの悪役度が少し物足りなかった

今作の敵としては、博士たちのラボを横取りしたいグループが2つ出てきました。
私としては、どちらの悪役もワルさが物足りなくて、あまり悪役っぽく感じなかったです。

ソニー・バーチの一味

博士のラボを狙う2つ敵勢力のうち、特にバーチ氏(闇取引業者のオジサン)たちのほうは悪役っぽくなくて、ブラックマーケットの人だという割には小物感がありました。

だって割と失敗してばっかりじゃない?

  • 序盤
    ゴーストに乱入され、ホープから取り上げた品物を横取りされる
  • 中盤
    車とバイクで主人公たちを追いかけるも、全然捕まえられない
    博士のラボを一瞬手にするものの、やっぱりまた奪い返される
  • 終盤
    自白剤を打たれ、警察官の前で自分の悪事をベラベラ喋っちゃう

序盤から終盤まで、任務失敗の連続ですよ。ダメじゃん!

コミカル路線のアントマンシリーズですから、笑えるという意味ではこれで丁度いいのかもしれません。

悪役として見ると、ブラックマーケットでご活躍だという悪の一味にしてはちょっと間抜けな印象です。

ワケありゴースト

ゴーストもアントマンやワスプと敵対して博士のラボを奪いに来ますが、彼女は彼女で、自分の命がかかってるのでメチャクチャ必死です。
そりゃー死にたくないもんなって思うと、私はあんまり真っ向から敵視できなかったんですよね。

自分が生き永らえるためだけに、未だ量子世界に留まっているジャネットから量子エネルギーを取り出そうとしてるわけで、なり振り構わなすぎるというのはあります。
そこは確かに、善良でもなければ味方でもないので悪役な敵には違いないんだけど…

常に全身が痛くて今にも消えそうで、量子エネルギーを補充しないと近々確実に消滅してしまうと自覚してたら、彼女のように何が何でも強行してエネルギーを手に入れようとするのも分からんでもない。

切羽詰まった事情があるだけに、汲んであげたい気持ちが湧いてしまう敵キャラクターでした。
終盤のほうではありましたが、救いのある形に収まってくれて良かったです。

ところで、このゴーストというキャラクター、原作コミックのほうとはだいぶ設定が違うそうですね。

私はアメコミ作品の原作を読んでないので特に違和感や抵抗なく観ましたが、原作をご存知で尚かつ重視する方にしてみれば、引っかかる点も多かったのではないかなと思います。

原作を読んだ上でこの映画を観たら、もしかするとゴーストに同情的な気持ちは湧かずにいたかもしれないので、機会があれば一度コミックのほうも読んでみたいと思っています。
…でもアメコミの本ってどこで買えるのかしら?本屋さんで見かけたことない…

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気になったところ・興味が湧いたところ

ゴーストのすり抜ける物とすり抜けない物

ゴーストは、事故で量子的に不安定な存在になってしまったため物をすり抜ける特性を備えたキャラクターですよね。
事故直後に来たレスキュー隊員の手はゴーストの体をすり抜けて抱き上げられず、保護された後でフォスター博士から渡されるクマの人形も手がすり抜けてしまって触れなかったりして、見ている限りではとても不便そうです。

でも彼女らのアジトに用意していたガラス張りの小部屋に入るときなどは普通にドアノブに触って寝台にも横たわっていたし、そもそも地面や床はすり抜けずに留まっていられる様子でした。
何でもかんでも無差別にすり抜けるなら、靴も履けないだろうし、地面の上にだって留まっていられないのでは?と思ったんですよ。

ゴーストのスーツは制御を助けてくれるようなので、スーツを着ている間は別として。
彼女が物をすり抜けてしまう現象が起きるのは、どういう条件が揃った時なのかなと気になります。

私は理系の科目が大の苦手なので、量子ナンチャラと言われてもよく分かってないトコロが多いと思うんです。
なので、こんなことを不思議がるのは単純に理解が追いついていないせい、その一言で終わりかもしれませんが(笑)

アベンジャーズ4作目への繋がり

アントマン、一人ぼっち…

主人公が量子世界に居る最中に他の皆が消されてしまったので、ここからどうやって元の世界に戻るのかが気になります。
…そもそも戻れるの?

車に積んだ装置の使い道

車の中に量子世界へ繋がるゲートを設置してましたが、これ、きっとアベンジャーズ次回作で出てくるんですよね?

この装置を使って、Dr.ストレンジの時間を操る力なんかも借りつつ世界を巻き戻すとか何かやって、消えちゃった人たちを復活させるんでしょう?
お願いだから、そうだと言ってくれ…

代替わり

今作で描かれている事の一つに、代替わりという題材があるような気がします。

アントマンとワスプのスーツって、元々はピム博士と妻のジャネットが使っていた物でしたよね。
ジャネットがスーツごと量子世界に取り残されてしまってるので、ワスプのスーツはどのみち一から作り直さなきゃいけませんでした。
で、アントマンのスーツも今作で新しい物が出来て、スコットが前作に引き続きアントマンのスーツを、ホープがワスプのスーツを身に纏います。

親世代のピム博士夫妻から、娘世代のホープとスコットへ。

スーツが新しくなって受け継がれ、アントマンとワスプという役目も同様に受け継がれたところに対して、今作でのスコットとホープの活躍が先代から次の世代へのバトンタッチという印象を抱きました。

それに加えて、今作の出来事があったタイミングはちょうどアベンジャーズ インフィニティ・ウォーの戦いがあったのと同じ頃。

今作で前の世代から役目を引き継いで次の世代のヒーローコンビが誕生しましたが、ここから今残されている人たちだけで、消えてしまった人々を救うために戦っていくことになるんですよね。

そして余談ながら、アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカの3名は、それぞれの俳優さんたちがアベンジャーズ次回作で役を引退することが決まっています。(※2018年09月12日時点)

…と、言うことは。
これはあくまでも私の憶測ですが、次のアベンジャーズの映画で彼ら3人が役目を終えて退き、その代わりに、ここ2〜3年で新たにスクリーンデビューを果たしたアントマンやブラックパンサーたちが加入。

アベンジャーズのヒーローたちの選手交代というか入れ替えというか…一部メンバーチェンジという流れが待っているのではないかと考えてしまうんですよね。

今作でのアントマンとワスプの代替わりと、次の集合作品での、MCUを率いるヒーローたちの代替わり(という予想)。

なんだか重なって見えるのは、きっと制作陣にもそういう意図があるんだと思うことにしておきます。

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総評

ヒーローものの映画にしてはコミカルなシリーズで、重すぎず・軽薄すぎず、比較的ラクに観ていられて良い映画でした。

アメコミヒーローのシリアスなドンパチ展開に息切れしてきたら、休憩がてらアントマンシリーズを観るとちょうど良さそうです。

私は、コミカルさの面で前作のほうが好みだったかな。

量子世界とかその辺の設定について理解が追いつかない点があったのと、細かいところで見落としている部分がありそうなので、レンタル配信かBlu-rayでもう一回観てみようと思ってます。

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