TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ (2016)

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ (2016)
  • TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ
  • 英題:Too Young To Die!
  • 2016年 公開
  • ( 4.0 / 5.0 )

神木隆之介さんとTOKIOの長瀬智也さんが出演なさってる、地獄が舞台の映画。バンドバトルで勝利して天国行きを目指すお話です。

公式の予告編動画は↓こちらからご覧いただけます。

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気に入ったところ

作中で流れる音楽

私はハードロックやメタルが大好きなので、この作品の中で流れる曲が大変好みで良かったです。

ハードロックやメタルといっても、ベースやバスドラムなどの重低音の重さ・強さってバンドによって様々だと思うのですが、この映画の中で演奏される曲は重低音が自分の好みの重さで、聴いていて楽しかったです。

TOO YOUNG TO DIE/地獄図

長瀬智也さん演じるキラーKのバンド・地獄図の曲。映画のオープニングで流れる曲で、予告編動画にも使われています。

バンド名の地獄図は、ヘルズと読みます。

天国〜hard version〜

こちらは映画のエンディングで流れる「天国」という曲です。

作品の中で流れる「天国」はバラード調ですが、こちらはエンドロールで流れるロックテイストバージョン。

地獄の住人のキャラクターデザイン

この映画は地獄が主な舞台なので、鬼のキャラクターが複数名登場します。

私は、この鬼たちのビジュアルが気に入りました。

作品の題材の1つとしてハードロックの音楽が用いられているのですが、鬼のキャラクターのイカついビジュアルとハードロックの音楽はなかなか相性が良かったと思います。

もともと、ハードロックやメタルのジャンルって、バンドによっては世界観の演出のために少し風変わりな化粧や衣装を身に纏っていることがあります。聖●魔IIの皆さんとかね。

そういう「風変わりな化粧や衣装」ってこの映画に登場する鬼たちと少し似ている部分があったりするので、普段からハードロックやメタルに親しんでいる私にとっては馴染みのあるルックスのように感じて、ある意味で安心感もありました。

コミカルとシリアスのバランス

あとは、コミカルな描写とシリアスな展開のバランスが良いと感じたところも、この作品を気に入ったポイントの1つでした。

作品ポスターからも伺えるかもしれませんが、本作は生きた人間以外の登場人物が多いです。

見た目が人間のままのキャラクターであっても舞台が地獄なので基本的には死人ですし、鬼に至ってはそもそも人ではありませんしね。

なので、非現実的な動作や描写もある意味では無理がないので、そういった「あり得ない」ようなコミカルなシーンが数多くありました。

ギターのネックの根本と先っぽのフレットを同時に押さえて弾く音があったってOKだし、そのために指が異様に伸びまくるのもアリです。感情が高ぶると急に巨大化するのだってアリです。だってそもそも現実世界じゃないので。

そういう非現実的なギャグシーンが連発される中で、時々シリアスなシーンが挿入されるんですよね。
主人公を含む登場人物たちの生前の出来事を描く場面だったり、作品の最後のほうの締めくくり間際のシーンだったり。

主人公を含む地獄の面々はみんな、良くも悪くも、生前の行いの結果として地獄にいるわけです。

でも地獄行きになるまでには個人個人でそれぞれドラマがあって。

シリアスなシーンばかりで湿っぽかったり重くなったりするわけでなく、かといってコミカルなシーンばかりでサムくて薄っぺらい話になってるわけでもなく、双方の要素のバランスがとても良い配分で展開された映画だったと思います。

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ちょっと考えちゃうところ

天国の地獄っぽさ

作中で主人公も言ってましたが、私からすれば、天国の様子はまるで地獄のように感じました。

ちゃんと、あらゆる宗教上の「天国」のイメージと非常に近い、とは思うんですよ。

明るくて、白くて、清潔で。
面倒なことはしなくていいし、何もかも揃ってて、ボタン一つ押せば全部やってもらえます。

だから、かえって「何もない」。

自分の寝台にぜんぶ揃ってはいるけど、ちっとも楽しそうに見えません。
みんな安静に落ち着いてたけど、ちっとも人間っぽくない。

何でもあるはずなのに、何もないような空虚な感じがしました。

その反面、地獄は良かったです。

暑(熱)くてキツくて汚いけど、「次(来世)を目指す」という目標を持って前向きに毎日を過ごしてるし、回数制限はあるものの失敗した後の再挑戦のチャンスもある。

基本的に暗くて黒っぽいけど、いろんな色もありました。
カラフルで個性があって、みんな当たり前のように自己主張や自我を持ってます。

単に好みの問題でしょうけど、私は地獄のほうが好きですね。

あの天国はあんまり好きになれませんが、ただ、天国の寝台が和式便器の形だったところは面白くて気に入ってます。

でも結構ありがちな「天国」と「地獄」だとは思う

天国は白っぽくて整ってて美しい代わりに人間味の無い機械的な描写。
地獄は彩り豊かでハチャメチャで、でも人間味のある生き生きとした描かれ方。

この映画に限らず、地獄や死後の世界を題材として描いてる作品にはコレって結構ありがちだと思うんです。

死んだ後の世界があるなら、みんな地獄よりは天国に行きたいと思うでしょうけど、映画などのフィクションで描かれる天国って「天国」の設定通りに描いているのにどこかつまらなそうで、全然魅力的に感じません。

そういう「魅力に惹かれる」とか「楽しそう」とか「好き/嫌い」などの欲を捨ててニュートラルになれた人が天国に行けるんでしょうから、それで生きた人間の欲が全く感じられない描かれ方になるのかもしれませんね。

でも私はやっぱり、無機質な白い天国より、カオスで鮮やかな地獄のほうが良さげに見えてしまいます。

天国なのに自殺の選択肢がある

幸せなはずの天国なのに、やってほしいことを指示するボタンの中に『Suicide(自殺)』が用意されてるところは皮肉だなと思いました。
しっかり、ドクロのアイコンになってましたね。

天国に既に居る、つまりもう死んでるにも関わらず、そこから更に「自殺」という選択肢が用意されてるなんて…

天国へ行けた人でも、天国が嫌になって自殺ボタンで逃げ出すケースがあるってことでしょうか?

まぁ、窮屈で退屈そうなあの天国じゃ無理もないか…と思ってしまいます。

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総評

普段は日本の映画ってあまり観ないのですが、この映画は気に入りました。

作品のストーリー展開も緩急のバランスが良かったと思うし、題材的にも自分好みだったので、鑑賞してみてよかったです。

Helga's Movie Log
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