スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム (2019)

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム (2019)
  • スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
  • 英題:Spider-Man: Far from Home
  • 2019年 公開
  • ( 4.0 / 5.0 )

MCU版スパイダーマンのソロ映画2作目。MCUフェーズ3の完結作にあたる映画です。

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気に入ったところ

新スーツかっこいい!

本作には、数パターンのスパイダースーツが登場します。
中でも、一番新しいスーツが私好みのデザインで、とても気に入りました。

遺されたトニーの設備を使って、ピーターが自分で機能を選んで自分仕様にスーツを組んでいるシーンもお気に入りです。

騙された!良くも悪くも。

予告編動画やら他所様のブログ記事タイトルなんかでは『ミステリオは味方』みたいな描かれ方をしてたので、そうなんだろうと思って鑑賞したんですよ。

なんじゃ、全然味方じゃねーじゃん!!!
騙された!!!

決して腹を立ててはいないんですけど、事前情報(&事前イメージ)とのあまりの違いように、ただただ衝撃を受けた次第です。

至るところで『味方の叔父貴』扱いをされているのを見たら、原作からガラッと設定を変えたところがセールスポイントの一つなんだろうな、と思うじゃないですか。
皆さんの策略にまんまとハマってしまったわけですね、私は。

騙されたお陰、というスパイス

ただ、騙されていたお陰で楽しめた部分は大いにあったと思っています。

ミステリオは味方キャラなんだなと思って観ていたからこそ、彼がピーターを欺いていたと判明するシーンで強い憤りを覚えたり、ピーターがミステリオに立ち向かっていく後半のストーリー展開に共感しやすくなったと思うんですよ。

裏切られたショックと、それを糧にして燃え上がる怒りや正義感。
もうね、激アツですよ。

そう考えると、結果的には騙されてて良かったかなと思います。

ジェイク・ギレンホール氏の怪演ぶり

これは、あくまでも私の個人的な、極めて偏ったイメージではあるんですけども…

近年のジェイク・ギレンホール氏は、なんというか、穏やかな落ち着いたキャラクターを演じているのを見掛けることがほとんど無いなと思っていました。

イメージを一言でいうと、ぶっ飛びイカレおやじ(の役)。

Netflix作品のオクジャでもヒステリックなオッサンの役でしたし、同じくNetflix作品のベルベット・バズソーでも気難しい美術商の役を演じておいででした。

奇人・変人の類のキャラクターとして出演している作品を見掛けることが多くなってきてるように感じていて、私が抱いていた彼の初期の頃の出演作や担当キャラクターのイメージとは、だいぶかけ離れてきていました。

だから、やっとマトモそうなブッ飛んでない役柄のジェイク・ギレンホール氏が久々に観られるのかなと楽しみにしてたんです。

全然違うじゃん!
またしても、ぶっ飛びイカレおやじじゃないか!

そんな風に最初は少しガッカリしたのですが、よく考えれば、あんまり振り切ってるぶっ飛びキャラって演技力の拙い俳優さんでは務まらないですよね。

だったら、奇抜な役柄が続いててもそれはジェイク・ギレンホール氏の実力の裏返しと捉えられるし、それならまぁいいか!と思ってしまいました。

実際、本作の彼の役どころはとても重要でしたし、最後の最後にも例のシーンで一発かましてくれてるので、良い演技が観られたんだからこれでよかったなと思っています。

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イマイチだったところ

ピーターの急な『推し』変更

本作の冒頭から、ピーターがMJ激推しになっていたのがとても引っかかりました。

前作では、ピーターは自分の所属するクイズ部の部長・リズに惹かれていましたよね。
スパイダーマンの映画のシンボルの一つである逆さ吊りでヒロインと向き合うシーンも相手はリズでしたし、私の中では、MCU版スパイダーマンのヒロインはリズなんだなと思っていました。

おまけに、前作ではMJの映るシーンもそんなに無く。
たまーに映ったかと思えば、チョロっと皮肉めいたことを言うだけで登場シーン終わり。

こんな扱いだから、そもそも私はこのシニカルな女子生徒がMJだとも気づいてなくて、何のためにいるのか分からん意味不明な脇役だなーとさえ思っていた始末。
(そういえば彼女、MJって呼ばれてすらいませんでしたよね?ミシェルとは呼ばれてましたけど…)

そんな影の薄いMJが、本作ではあたかも初めからずっとヒロインだったかのような扱いにランクアップしていて、この唐突な展開には違和感が拭えませんでした。

前作から本作までの間に、一体何がどうなって、こうなってるの?

もちろん、サノスの指パッチンがあって、5年のブランクがあることは承知してるんですよ。
でも多分2人とも消えてた組だから、消えてる間に関係が進展するわけも無いでしょうし。

それが、戻ってきたら急にMJゾッコン?
ちょっと無理があるんじゃないでしょうか。

前作の終盤で、ピーターとの戦いの結果リズのお父上は逮捕されてしまい、リズも引越しを余儀なくされました。
ちょっとイイ感じになっていたリズとの関係がこの出来事のせいでリセットされてしまい、お相手がいなくなった状況なのは飲み込めるのですが…

ピーターよ。
前作でもMJはキミのことストーキングしてたけど前は意にも留めてなかったじゃない。むしろ若干気味悪がってたでしょう。
前作からずっとMJから見られてたのに、何故本作になって急にそれを熱視線と解釈し始めたんですか…

ネッドとベティのカップル、要る?

本作では、ピーターの親友・ネッドと、高校の放送部で番組キャスターを務めているベティがカップルになりましたね。
そして映画の終わりにはアッサリ別れてました。

このカップル成立の要素は、どういった需要があったのかなーと疑問に思っています。
だってあまりにも唐突だし。

飛行機で席替えしてすぐの時には、お嬢ちゃん、嫌そうな顔してましたやん。

前項で書いたピーターの急な推し変更もそうですが、本作は脈絡のない新要素(主に色恋沙汰)をいきなりぶっ込んでくる映画だなーという印象を受けました。

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興味が湧いたポイント・気になったところ

ミステリオの衣装、本当に投影?

本作の悪役であるミステリオは、ドローンによる投影という手法を用いて、実際にはありもしない怪物とその被害を演出していましたよね。

彼らのアジトで次の戦闘のシミュレーションをしていた時に、ドローンの一機が不調でミステリオのスーツの投影が乱れたシーンがあったと思います。
あれで思ったんですよ。

ミステリオのスーツはどの時点からニセモノ(映像投影)だったのかなって。

最初から、何から何までホログラムの投影であり現実のものが何一つ無いのなら、映画の序盤でピーターがフューリーと共にアジトまで来たときも、ミステリオのスーツはホログラムだったはずですよね。

でもあんな狭い屋内で、ドローンが周りを飛び回れるんでしょうか?
ドローンの駆動音とかしないの?無音で気配もなくホバリングできるものなのかしら…

そんで、仮に音がしなかったとしても、何か飛び回ってたら流石に誰か気づくんじゃないでしょうか。
映画の後半で見た限りでは、映像を投影するために飛び回ってるドローンの数って結構いっぱいいましたよ?
一機・二機ならまだしも、たくさん飛んでたら一機くらいどこかにぶつかったりドローン同士で当たったりして、即バレしそうだと思ってしまいます。

その点を考えると、最初から全てホログラム映像でしたー!というのは、ちょっとだけ無理があるんじゃないかなと思った次第。

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総評

些細な点ではゴチャゴチャ文句を言いましたが、総合的な感想としてはとても良かったです!

トータルで見ると、本作はMCUフェーズ3の区切りとして、しっかりとまとめ役を担える良い映画でした。

最後の例のシーンがフェーズ4やMCU版スパイダーマンの3作目に向けてどう繋がっていくのか、今後の展開もとても楽しみです。

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