- アベンジャーズ/エンドゲーム
- 英題:Avengers: Endgame
- 2019年 公開
Marvelヒーローのコラボ映画『アベンジャーズ』シリーズの完結編です。
長年追いかけてきたMCUの中の一つの流れが、この作品を以って収束しました。
これで最後なのは名残惜しいですが、完結作として見応えのある映画に仕上がっていたと思います。
情報量の多い映画だったこともあり、思うことがたくさんあり過ぎてすぐに全部まとめきれなかったので、整理がついたものから順次追加していきますね。
気に入ったところ
エンシェント・ワンの再登場
ドクター・ストレンジの作中で、役目をストレンジに託して逝ってしまった、師匠のエンシェント・ワン。
本作でブルース(ハルク)が5年前の過去に行った際、まだ存命だったエンシェント・ワンと会うシーンがありました。
個人的にエンシェント・ワンが結構気に入っているので、生きて動いている姿をまた見ることができて嬉しかったです。
ストレンジがエンシェント・ワンを訪ねてくる前の出来事になるのに、ストレンジのことも既にしっかりご存知でしたね。
神秘的で聡明な雰囲気があって、お気に入りのキャラクターです。
キャプテン・アメリカ、まさかの暴言
真面目で優等生キャラのキャプテンは、今までなら、アベンジャーズのメンバーが汚い言葉遣いをすると注意したりしていましたよね。
なんと、本作ではそんなキャプテン・アメリカ自らの暴言を聴くことができます!
超レアですね!!!笑
ネズミちゃん、GJ
アントマン2作目のエンドロール後のシーンで、スコットは量子世界に入ってる最中に指パッチンが起き、量子世界に取り残されてしまいました。
あちらから戻す操作をするはずだったピム博士夫妻やワスプが消えてしまったのでずっと戻れずにいましたが、こちらの世界で装置の操作盤(?)に乗ってウロついていたネズミのお陰で装置が作動し、運良く戻ってこられた形でしたね。
一般的には害獣呼ばわりされることも多いネズミですが…今回ばかりはネズミの功績を讃えるべきではないでしょうか!
ネズミちゃん、Good job!!d( •̀∀•́ )b✧
コミカルなソー
ソーは、序盤では普通だったのですが…次に登場したときの姿に笑ってしまいました。
誰これ!?
やさぐれたヴァイキングのオッサン、という感じ。
立派なビール腹に、伸び放題の髪とヒゲ。
タイムスリップ先でも、ウジウジするしママ恋しさにメソメソ泣くしで、本作ではすっかりギャグ要員と化していた印象です。
マイティ・ソーのソロ映画3作目辺りから彼はコミカルなところを描かれる機会が増えてきていたと思いますが、そんな3枚目なソーのお陰で、重いテーマを擁する本作も所々で息抜きをしながらついていけたように感じました。
いやはや、しかし…さすがに変わりすぎでしょ。
面白いから全然いいけどさ!笑
イマイチだったところ
消された人々の帰還についての描写が物足りなかった
前作の終わりで、サノスの指パッチンにより塵となって消えてしまった世界の半分の人たちは、今作のアベンジャーズたちの奮闘により無事に戻ってくることができました。
でもヒーローたちがゲートから戻ってきた時やそれ以降で、消された彼らが戻ってこられた喜びや安堵感を噛みしめるほどの余韻があまりじっくりとは描かれていなかったように思います。
展開的にそんな暇なんて無い場面での帰還でしたから無理もありませんが、ちょっと物足りなかったです。
帰ってこれたけど、みんな、映るシーン少ししかないじゃん!もっと観せて!!
尺の都合で無理なのは分かってるんですよ、ええ。
でも、それぞれ、もう少しじっくりと描いてほしかったな。
ヴィジョン、スルーされすぎ問題
トニーのバーチャルアシスタントだったJ.A.R.V.I.S.がインフィニティ・ストーンを取り込むことで実体化したキャラクター、ヴィジョン。
アベンジャーズ前作で額の石を取られてしまい死亡した彼ですが、本作の中で全く触れられていなかったのが少し気に掛かりました。
そもそも、ヴィジョンは石を取られてバッタリと倒れ込んだものの、指パッチンで消えてはいなかったと思うんですよね。
なので、彼についてもその後どうなったのかが本作で何かしら描かれて、それで一区切りつく形になるかと想定してたんです。
石を返してもらって復活するのか、それともそのまま死亡扱いになるのか…。
指パッチン発動後も消えずに残っている様子を前作中で映したのは、何かしら、本作に通じる布石としての意味のあるシーンだからだろう、と思っていました。
ブルース(ハルク)がエンシェント・ワンと約束した通り、この一件にカタがついたら、インフィニティ・ストーンは全て元々あったところへ戻さなくてはいけない展開が待っていました。
だからもし前作で死んでいなかったとしても、どちらにせよヴィジョンが消えてしまう流れにはなっていたかもしれません。
ただ、もう少し触れておいてくれてもよかったんじゃないかと思うわけです。
完全スルーだなんて、さみしいよ。
映画の終盤、前作で消された面々が戻ってきてサノスの軍との乱闘が始まってから、ワンダ(スカーレット・ウイッチ)がサノスに向けて「お前は私から全て奪った!」という感じの言葉をぶつけるシーンがありましたね。
名前こそハッキリとは出ていないものの、このセリフの指す『全て』の中にヴィジョンの存在が辛うじて伺える気がしてるので、それがせめてもの救いかな…と思います。
パパ・スタークのアシスタント(運転手?)
ヴィジョンは本作に全然出てきませんでしたが、代わりに、懐かしい名前を聞く機会はありましたね。
トニーがタイムスリップ先で自分の父ハワード・スタークと会い、外に出て別れの言葉を交わした後のシーン。
ハワードが車に乗り込む直前に傍らの男性に話しかけましたが、彼に呼びかけるときにジャービスと呼んでいたのに気付いて、ちょっとニヤッとしてしまいました。
父のそばにいた彼がトニーのアシスタントだったバーチャルのほうのJ.A.R.V.I.S.と同じ名前であることを想うと、本作の中で感じ取ることのできる数少ないヴィジョンの痕跡の一つのような気がしてきます。
なお、スターク(父)と一緒にいたほうのジャービスの俳優さんは、トニーのアシスタントのJ.A.R.V.I.S.(の声)&ヴィジョンを演じていたポール・ベタニー氏ではありませんでした。
もし、別の人物という扱いであってもジャービスをヴィジョン役の俳優さんが演じてくれていたら、繋がりを思い描けてもっと嬉しく思っただろうなーと、少し残念な気もしています。
ただ、トニーのJ.A.R.V.I.S.は『Just A Rather Very Intelligent System』の頭文字を取って付けられた名前でしたから、父のアシスタント(運転手?)から取ったとは誰も言っていなかったと思います。
これは、私が自分の中で勝手に連想して、勝手に繋がりを感じただけ。
制作陣の意図としては別にそういう事ではなかったでしょうから、あまり勝手に惜しく思わないようにしなくちゃね。
スピンオフドラマ
余談ながら。
本作ではちっとも出番が無かった可哀想なヴィジョンですが、大丈夫!またお目にかかれますよ!
ディズニーが2019年11月から『Disney+』というストリーミングサービスを開始する予定なのですが、そちらで『ワンダヴィジョン(英題:WandaVision)』というタイトルのドラマが配信されることが決定しています。(※2019年5月3日時点)
タイトルからお察し頂ける通り、ワンダとヴィジョンに焦点を絞ったスピンオフ作品とのこと。
肝心のキャスティングですが、MCUの映画でワンダとヴィジョンを演じていたお2人がドラマのほうも引き続き出演なさるそうですよ。
某グリーンの巨人の映画のような、急に別人になってて「えっ誰コレ?(ポカーン…)」みたいな事態は起こらないと思うので、その点は安心ですね。
なお、撮影開始が2019年の秋頃からとの情報なので、実際にドラマの配信がスタートするのはDisney+のサービス開始よりもう少し先になりそうです。
気になったところ
ロキは結局どうなったんだっけ?
タイムスリップ先でトニーを心臓発作にさせたとき、滑ってきたアタッシュケースをロキが取って消えちゃったけど、それ以降はロキってどこで出てきたんでしたっけ?
そしてロキが持っていっちゃったインフィニティ・ストーンは、どの時点で回収したんだっけ…?
なにしろ、作中で起こった出来事が多いので一回観ただけでは内容を拾いきれなかった部分も多々ありまして…
自分の把握スキルの低さというか、短期記憶のキャパシティの少なさというか、自分に対して色々と残念な気持ちでいっぱいです。
ロキの死亡時期について
あと、ロキは消された皆がゲートから戻ってきた時にも見当たらなかったと思うんだけど、彼は指パッチンで消されたキャラじゃないからスルーだったの?
指パッチンの前に、船の中でサノスに殺されて石取られたシーンがあったと思うけど、あそこで本当に死亡してたってことでしょうか?
海外を含めたMCUガチ勢の方々が、あのシーンでロキは左手を使ってたから、殺されたロキは彼お得意の幻術であって本物のロキじゃないのでは?と考察なさってるのを見かけたことがあったのですが…
その説を信じたかったのに本作の中でロキの映るシーンはほとんどなかったので、やっぱり船の中で殺されてしまってるから救済対象にならなかった、というのが本当の筋書きなんでしょうね。
でも、いつものように、本当は無事でしたー!!!なんて飄々と現れてくれたらよかったのにな。
最後に聴こえた金属音
MCU作品の特徴的なポイントですが、本編とエンドロールが終わった後に、次の作品につながるヒントのオマケ映像が見られますよね。
今作はアベンジャーズの完結編だからか、エンドロールの途中や後にいつものようなオマケ映像はありませんでした。
ただ、エンドロールがほぼ終わるぐらいのタイミングで、なんか金属音が聴こえたんですよね。
こう…金属を硬いもので叩いてるような音でした。
鍛冶仕事のシーンとか、ツルハシで硬い壁を掘ってるようなシーンとかに聞こえてきそうな系統の音でしたよ。
エンドロール内容の文字やロゴマーク以外に映像が特に無かったので、実際に何の音だったのかはちょっと分からないのですが…
この作品で一旦完結するよ、っていう作品の最後の最後でそういう正体不明の情報を差し込んでくるということは、たぶん、今後の作品に関係のあるものなんだろうとは思います。
完全に個人的な淡い希望ではありますが…
アタッシュケースを盗んでどこかへ消えたロキが、手錠を外そうと色々やってる音だったりしてくれないかなー。
卒業する3名への想い
MCUのシリーズ初期の頃からずっと活躍してきた3名のヒーローとその俳優さんたちが、この『アベンジャーズ/エンドゲーム』を以て、それぞれの役から卒業しました。
アベンジャーズのシリーズは多数のヒーローが出演する映画なので特定の誰かの事だけずーっと描くという作品ではありませんでしたが、今回に限っては、卒業が決まっていた3名のことにフォーカスしている面があったように思います。
キャプテン・アメリカ
国の武器としてキープされてるようなものだった、キャプテン・アメリカ。
石を返しに行ったついでに、すぐには現代に帰らずそのままあちらで過ごして、年老いた姿で戻ってきましたね。
ずっと『お役目』ありきで生きてきたスティーブが、数十年遅れではありましたが、やっと自分のための人生を生きることができました。
盾をサム(ファルコン)に託してキャプテン・アメリカとしての使命を次の者に引き継ぐ形になり、やっと重荷が下ろせたんだなーと感慨深い気持ちでした。
また、スティーブの満ち足りた穏やかな表情が見られたので、良い形の幕引きになったと思います。
ソー
ソーに関しては、ちょっとズッコケなままで終わってしまった印象があります。
今作で急に『ただのヴァイキングのオッサン』みたいになってしまったソーでしたが、スティーブと同様、ヴァルキリーへと国を統べる役目を引き継いだ点は良かったとして…
体型そのまんまなの!?笑
絶対にどこかの時点で今までのようなマッチョなソーに戻るものと思い込んでいたのですが、最後までデップリなお腹のままでしたね。
そして、最後の最後にこのコミカルな終わり方なのか…と少々拍子抜けだったのが正直なところです。
同時に卒業する他の2人のヒーローたちに比べて、なんとなくザックリと雑だったような、物足りないような印象が残ってしまいました。
卒業…なのか?
ただし。
本作を以て卒業ということになっていたものの、実は本作公開日付近の時点では、ソー役のクリス・ヘムズワース氏本人が完全引退ではない可能性をニオわせているんですよね。
そして、その話の内容を軸にして考えるのであれば、先ほど『ザックリしてて雑だった気がする』と書いた今作でのソーの物語の終わり方は、むしろこの展開で終わることでしっくりくるように思えてきます。
まだ終わりじゃないから、この先に別の人生を求める新たな船出というシーンで締めくくったのかな、って。
もしそうなら、まだソーを演じてくれる機会があるかもしれない!!!という期待が持てますよね。
憶測ばかりでアレですが、そう考えておけば自分が本作を観て味わった喪失感の部分が少し和らぐので、とりあえず今は『ソー(とクリス)はまだ完全引退ではない』と、都合よく解釈させていただくことにします。
アイアンマン
MCU作品の(一応)トップバッターだった、アイアンマン。
アベンジャーズは色んなヒーローが出演していますが、今回は、彼のための映画だったような印象が残っています。
アイアンマン1作目の自社製品によって自国民が命を落とすのを見て兵器製造を止めたところから本作に至るまで、トニーは幾度も責任の重い決断を迫られながら歩んできました。
本作の中でも一度は立ち向かうことを諦めて仲間の元を去りましたが、やっぱり戻ってきて皆と力を合わせて敵と戦い、最後には全てを一人で背負って皆を守り抜いてくれましたね。
命が尽きかけ、周りの呼びかけにもあまり反応できなくなっているトニーは、ちょっとツラくて見ていられなかったです。
ペッパーがトニーに掛けた最後の言葉を聞いて、映画の冒頭でトニーが彼女に向けて語りかけていたセリフを思い出してしまい、それまで泣くまいと我慢しながら観ていたのに耐えきれなくなってとうとう涙腺が崩壊しました。
こんな最期を見せられたら、心に刻まれちゃうに決まってるじゃん!
やってくれましたね…Marvelさん…!!
当分、ペットロスならぬ『トニー・ロス』に陥りそうなので、この映画を観たのが長期休暇中で命拾いしたな、と心底思います。
丸く収まったハッピーエンドとは言えないけど、私にとってはとても良い終わり方でした。
決して、決して嬉しくはないけどね!
トニー・ロスの深刻さ
この映画を観てからの数日間、アベンジャーズシリーズとトニーを揃って亡くしたショックがなかなか癒えずにいます。
アベンジャーズ・ロス、トニー・ロスはなかなか重症化するようですね。
なお、余談ながら。
トニー恋しさにアイアンマン1作目を再度見直した私ですが、まだ若くて存命な頃のトニーと部下のハッピーを目にして、トニーを永遠に失った悲しみが一層深まりましたので、トニー・ロスの治療目的で再視聴するのはお勧めできないなと思いました!
まだGWのお休みが残っててよかった…
総評
一言で言うと、最高!
とても、とても良かったです!
せつなくて苦しい気持ちになる部分もあるけど、長年続いたアベンジャーズのシリーズ完結編として、良い終わり方だったと思っています。
『アベンジャーズ』はこれでおしまいですが、MCUのシリーズ自体はまだまだ続きます。
この、充足感と喪失感の入り混じった複雑な気持ちをあまり引きずり過ぎないように、今後のMCU作品を新たな期待とともに引き続き楽しんでいきたいです。
ロバート・ダウニー・Jr氏、クリス・エヴァンス氏、(一応)クリス・ヘムズワース氏。
そしてスタン・リー氏。
あなた方のおかげで、私のこの十数年間は、次回作を楽しみに待ちながら過ごす幸せな期間になりました。
長い間、お疲れ様でした。
良い時間を過ごさせてくれて、本当にありがとうございました!
エンドゲーム単品の映像ソフトもありますが、私が買ったのは以下のセット版のほう。アベンジャーズ1~4作がひとつのセットになったBOX商品です。
私はAmazonで予約注文して購入しましたが、楽天ブックスではオリジナル特典として限定グッズが4つも付いてるのを見つけてしまいました。
特典アイテムは、アクリルスタンドとコレクターズカード4種類、MARVEL台紙、アクリルカラビナ(キーホルダーみたいなやつ)ですって!
特典グッズいいなー
私も楽天ブックスで買えばよかった…